「日本の最強パワースポット~神社」FILE NO.14:富士山本宮浅間大社
2020.01.16
SUPERVISION, TEXT, PHOTOGRAPH BY YUKIRO WAKATSUKI
EDITED BY VOICE STYLE
富士の高嶺のような高貴さに向かって自分自身を花咲かせる
日本が誇る霊峰〝富士〞。自然の力を崇める神道にとって、富士という活火山が持つ力は、畏敬の念を抱かせる対象の最たるものでした。
富士山本宮浅間大社の御祭神であるアサマノオオカミという名前にある「アサ」が訛ると「アソ」。これも、やはり「噴火=大地の暗い場所から出てくる炎」のことを意味しています。
火力を敬うと同時に、富士の南、水源豊かな麓へ鎮座させることで、噴火の力を制御しようとした意識が、富士山宮浅大社の源流には見本間られます。
コノハナノサクヤヒメによる「おかげ」
アサマノオオカミの娘、コノハナノサクヤヒメノミコトは、高天原《たかあまはら》(天界)から天孫降臨したニニギノミコトと夫婦になった女神。その後、子を宿しますが、自分の子であるか否かを夫に問われることになります。
「もし、あなたの子であるならば、無事に産まれるでしょう」と答えたコノハナノサクヤヒメノミコトは、戸のない産屋にこもり、火を放ちました。その中で無事に3人の子を産み、身の潔白を晴らしたということです。
この神話が伝えてもいるように、富士山本宮浅間神社は、安産・家庭円満・身の潔白によって守護される力・火事除けなどといった「おかげ(御神徳)」を 持っています。
地の神として、初めて天の神に嫁いだ神様でもあったことから、高貴な目的を人生で見出すこと、そして、桜の花のように自分の人生を花咲かせる、人々に喜ばれる存在になる、といった力を受け取ることができるでしょう。
また、この神様は、地の神の中で1番と言われる程の、大変な美貌の持ち主として知られています。境内では、「美人守り」なる授与品も目にすることができました。意外な御利益ではありますが、内外問わずその美しさにあやかりたい時は、コノハナノサクヤヒメノミコトのエネルギーに触れてみると良いでしょう。
Information
富士山本宮浅間大社 Fujisanhongu sengen taisha
http://www.fuji-hongu.or.jp/
由緒
全国1300 に及ぶ浅間神社の総本宮。また、駿河国一ノ宮として全国的に信仰を集める。その起源は「富士本宮浅間社記」に記され、大噴火をした富士山を鎮めるため、浅間大神をお祀りしたのが始まり。全国にある浅間神社の起源ともなっている。コノハナサクヤヒメの水徳によって噴火が鎮まったと伝えられている。
所在地
静岡県富士宮市宮町1-1
主祭神
浅間大神(アサマノオオカミ)、木花之佐久夜毘売命(コノハナノサクヤヒメノミコト)、瓊々杵尊(ニニギノミコト)、大山祇神(オオヤマヅミノカミ)
御神事
例大祭 他
御利益家庭円満・安産・水徳・火難消除 他
※本記事は『voice style vol.2』より抜粋・再編集したものです。