「日本の最強パワースポット~神社」FILE NO.27:熊野本宮大社
2020.01.21
SUPERVISION, PHOTOGRAPH BY YUKIRO WAKATSUKI
EDITED BY VOICE STYLE
大願成就を果たすための活力を引き出す
幽玄な御神域、熊野三山
紀伊山地奥深くにある熊野は、「神の野」または「 隠野《こもりぬ》」が語源だと言われています。神々の鎮まる地、黄泉の国の入り口だとされ、今でも尚、幽玄な御神域であり続けています。
熊野速玉大社、熊野那智大社、熊野本宮大社の三山は、その信仰の中心となる存在です。純粋な神の顕現力を持つのが熊野速玉大社。魂のエネルギー、4次元のエネルギーを表すのが熊野那智大社。そして、三山の首座であり、神のエネルギー、魂のエネルギーを現実世界に下ろしていく役割を果たすのが、熊野本宮大社です。
熱せられ、吹き上げる水気が大願成就を導く
熊野古道の終着点である熊野本宮大社は、熊野の旅におけるクライマックスでしょう。
1889年に大洪水が起こるまで、熊野川・音無川・岩田川の3つの川の中洲に熊野本宮大社は置かれていました。今は、水害を免れた社殿が熊野川のほとりに遷っていますが、「大斎原《おおゆのはら》」と呼ばれる旧社地にも、御神体の一部が祀られており、更に日本一の大きさを誇る大鳥居も2000年には建立されました。
大斎原の地下には、実際に温泉があるのですが、その音からも想像できるような、大地に熱せられ、勢い良く昇する水(湯)の気に溢れています。この場所のパワーを一言で表すなら「大願成就」。平凡な願い事より、大斎原の大鳥居が象徴しているような、とことんまで思い切った願い事をするのが良いでしょう。
神仏混交の時代、熊野本宮大社では、善人も悪人もすべて含めて救済する仏、阿弥陀仏が祀られていました。そんな気質もあいまって、善悪問わず、極限までをも求める大きな願いには、懐深く反応してくれるはずです。熊野本宮大社にお参りする際には、まず大斎原を訪れ、その後に社殿へと向かうようにしましょう。
木性の気質を持つ御本社
参道の石段を登りきると、威厳のある檜皮葺きのお社(重要文化財)に辿り着きます。玉砂利が敷かれた境内は、神代を思わせる重厚な雰囲気。御本社の御祭神ケツツノミコオオカミはスサノオノミコトの別名とされています。
熊野は、影の柱となり日本という国を支えて続けてきた御神域です。「日本人が持つ純粋な精神」を現代に取り戻すよう働きかけてくれるでしょう。
Information
熊野本宮大社 Kumano hongu taisha
http://www.hongutaisha.jp/
由緒
熊野速玉大社、熊野那智大社と並ぶ熊野三山のひとつ。全国に3,000 社以上ある熊野神社の総本宮。御祭神のケツツノミコオオカミは、スサノオノミコトだと言われている。由緒については異説が多く存在する。熊野古道を含めた「紀伊山地の霊場と参詣道」は、2006年に世界遺産として登録され、参詣客で賑わっている。以前の旧社地は熊野川の中洲である大斎原(おおゆのはら)にあったが、1889年の大洪水以降、現在の地へと遷った。
所在地
和歌山県田辺市本宮町本宮
御祭神
家津美御子大神(ケツツノミコオオカミ)、熊野牟須美神(クマノムスミノカミ)、天照大神(アマテラスオオミカミ)、伊邪那岐大神(イザナギノオオカミ)、事解之男神(コトサカノオノカミ)、速玉之男神(ハヤタマオノカミ)
御神事
例大祭 他
御利益
縁結び・出世開運・厄除け・約束成就 他
※この記事は『voice style vol.2』より抜粋・再編集したものです。