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本厄女子が初めてのお祓いに行ってみた~神田神社(神田明神)編~

公開日 2020.03.16 

SUPERVISION BY KANNDA JINNJA
TEXT, PHOTOGRAPH BY SATORI FUJIKO

▲夜の神田神社前

みなさん、「厄年」って気になりませんか? 「厄祓い」に行ったほうがいいよ、なんて言われたことはないでしょうか? でも、ひとりで行くのもちょっと恐いし、友だちを誘って行くというのもなんだか違う。いや、そもそも「今度厄祓いに行こうよ!」なんて気軽に誘える友だちがいない……。

女・本厄・30代。「代わりに体験してきて!」という、みなさんからの声が聞こえた気がしたので、厄祓いを受けてくるべく、ひとり立ち上がることにしました!

江戸三大祭りのひとつ「神田祭」。足を運んだことがある方もきっと多いことでしょう。 お伺いしたのは東京のパワースポット、千代田区にある通称神田明神かんだみょうじんさんです。 正式名称は神田神社といい、730年に建てられてから、なんと1300年以上の歴史を誇ります。東京大空襲でも消失をまぬかれ、改築を繰り返しながら「江戸総鎮守」として、ずっとこの土地を守ってきたおやしろです。

今回は、神職の髙島瑞暉たかしまみずきさんにお話を伺いながら、昇殿参拝(ご祈祷やお祓いを受けること)の機会をいただくことができました。

「神田明神は、だいこく様(大己貴命)、えびす様(少彦名命)、まさかど様(平将門命)をお祀りしています。商売繁盛・家内安全・医薬健康・縁結び・勝負事・厄除け……などの神様として親しまれています」(高島さん)

これは、ぜひとも、あやからせていただきたいところです。

▲お忙しい中にもかかわらず、快く取材に応じてくださった 髙島さん。ありがとうございます!

※通常は社殿内での写真撮影はご遠慮いただいております、とのこと。

厄年について

神田明神は、神田・日本橋・秋葉原など、日本の経済の中心となるエリアを含んだ町を氏子としており、個人だけではなく、多くの企業から参拝に訪れる方も多いそうです。今回はミッション的に厄祓い一択ですが、商売繁盛や縁結び、安産祈願などのなかから2つを選んで、ご祈祷してもらうこともできます。

その前に、「そもそも厄年ってなに?」という方のために簡単にご説明しておきましょう。

一般的に厄年とは、私たちが一生の中で厄災に遭いやすいとされている数え年での年齢のことで、平安時代頃にはすでに、厄年という考えがあったとかなかったとか。

性別によって対象となる年齢は異なり、数え年、つまり生まれた歳を1歳とし、新年を迎えるごとに1歳を加えた年齢のことで見ていきます(表参照)。例えば、今32歳だったなら、数え年では1歳を加えた33歳となり、女性の場合なら本厄となります。誕生日前ならプラス2歳、誕生日後ならプラス1歳と考えるとよいでしょう。

【男性の厄年】

前厄 本厄 後厄
24歳 25歳 26歳
41歳 42歳(大厄) 43歳
60歳 61歳 62歳

【女性の厄年】

前厄 本厄 後厄
18歳 19歳 20歳
32歳 33歳 34歳
36歳 37歳(大厄) 38歳
60歳 61歳 62歳

表を見るとみなさんおわかりになると思うのですが、厄年の主な対象者は40代前半の男性と30代半ばの女性。”厄年”の自分としては、これからとんでもなく悪いことが起こりそうで、とても心配で夜も眠れなくなりそうです。そこのところはどうなんでしょうか……髙島さん?

「厄年は、悪いことが起きると思われている人が多いのですが、どちらかというと人生の転機や節目にあると考えられています。年齢的に体の調子や社会的な立場が変わったりなど、社会的な立場が大きく動く時期でもあるので、何事も起こらず平穏に暮らせますように、というお願いごとをされるのが良いと思います。まずは神様に日頃の感謝を伝え、自分はこれからどうするのかという誓いを建てた上で、お願いをするのも良いですね」

なるほど。確かに、30代女性の視点で眺めてみると、30代半ばというのは仕事や育児に追われることが多いため、自分に使える時間を優先して取りづらい時期。あれやこれやと毎日を過ごす中で体調を崩しやすい、ということもあるかもしれません。

平安時代にはすでにあったという厄年ですが、 長寿となった今でも、人生における節目に気を付けるという考えは、いつの時代も変わらないのかもしれないですね。

厄祓いを受けるタイミング

お伺いしたのは夕方でしたが、 性別・世代を問わず たくさんの人が訪れていました。でも、ひとりで厄祓いなんて相当アレなのでは? 自分だけ浮いていたら、ちょっと恥ずかしいです……。

「おひとりでふらっと厄祓いにいらっしゃる女性の方も実は多いですよ(笑)」(髙島さん)

良かったです。安心しました! ところで、今回は時期を考えず来てしまいましたが、厄祓いに適したタイミングなどはあるのでしょうか?

「一般的には、年の節目であるお正月から、2月3日の節分が目安になるでしょうか。ただし、これといった時期の決まりはありません。夏でも秋でも気づいたときで構いません。気になったら来ていただきたいですね。30代というのは、たくさんの転機が訪れます。中には、30代のほとんどが厄年では? と不安になられる方もいらっしゃいますが、まずは本厄の年にお祓いに来ていただければと思います。一度厄祓いを受けると、気になって後厄に来られる方もたくさんいらっしゃいます」

一度ご祈祷・お祓いを受けると、また来たくなってしまう理由がとても気になると同時に、期待も膨らみます。ちなみに、昇殿参拝は太陽が出ている時間であればOKとのこと。思っていた以上に、決まり事はないようです。なんとなく堅苦しかったり、敷居が高いように感じていましたが(すみません!)、どんどんハードルが下がります。

昇殿参拝と厄祓いビフォーアフター

昇殿参拝の受け付けは、2018年にできたばかりだという「EDOCCO 神田明神文化交流館」で行われています。カフェや買い物ができるスペースもあり、ついつい目的を忘れてしまいそうに。

申込書に、祈願内容、住所、名前、人数などを記入し、初穂料はつほりょうを窓口の方にお渡しすると、引き換えに浄衣(首かけ)をいただけるので、それを身につけて待合室で待機します。ちょっと緊張してきました。

▲申込用紙

▲浄衣

靴を脱ぎ、いつも外側からしか眺めたことのない本殿の中に入るという体験は、とても新鮮です。

拝殿では、参拝者への修祓しゅばつ(清めの儀礼)が行われ、神職さんが祓詞はらえことばという短い祝詞を読んで、大麻おおぬさでお祓いをしてくれます。

どこでどんなことをすれば良いかわからず戸惑うこともありますが、その場その場できちんと教えていただけるので、その通りに動くだけで大丈夫です

お祓いが終わったら、神職さんが祈願内容を伝えてくださいます。頭を下げたまま、祝詞のりとをいただくのですが、このとき、自分の名前と住所、祈願内容が、祝詞調で読まれるので聞いていると楽しいです。この後は、巫女の方から福鈴が授けられます。

個人的に一番緊張したのは玉串拝礼でした。玉串とは、小さな白い花がつく榊の枝でつくられていて、神前にお供えするものです。お神酒やご神饌と同じような意味があるそうで、案内を受けながらご神前まで進み、この玉串を捧げます。

玉串のどちらが前で、どちらが後ろか分からなかった自分ですが、そこもしっかりとフォローしていただきました。二拝二拍手一拝(2回頭を下げて、2回拍手して、1度頭を下げます)で参拝して、一段落。

最後に、お神酒をいただきます。

その後、祈願内容が記された木の神札おふだ、や、海苔、神酒などがずっしりと詰まった撤下品てっかひん(神様にお供えした「おさがり」)をいただきました。

昇殿参拝の時間は正味20分ほど。普段とは違う時間の流れを感じつつ、神様と向き合い、自分の幸せに期待してみる。そんな機会なんて毎日の中でなかなかありません。本当に久しぶりに自分自身と向き合うことができたひとときでした。

ところで、厄払いをしてもらったあとに、何かしたほうがよいことはあるのでしょうか?

「お参りと人と人とのお付き合いはよく似ています。人からお願いだけされて、ありがとう、という言葉がなければ少しイヤな気持ちになってしまいますよね。神様にも日頃から感謝を持って参拝していただければと思います。かしこまってお参りする必要はなく、本殿に上がらなくても、気軽な気持ちで来ていただければ」(髙島さん)

今を生きる人のためにある神社

神田明神は長い歴史を誇るだけではなく、近年では「人気アニメにも出てくる聖地」 や、ゲームやマンガ、各種キャラクターとのコラボレーションなどでも有名なお社です。また、外国人に向けたスタディツアーや、すぐ近くの湯島聖堂との講演なども行っているなど、たくさんの方に神田明神を身近に感じてもらえるような取り組みを、 髙島さんをはじめ神田明神の方々が積極的に行っているとのことです。

今を生きる人のために神社はあります。 神社は清々しく、ありがたい場所なので、思い立ったときにふらりと立ち寄ったり、気持ちを変えたいときに来てもらえたら嬉しいです。年齢も、性別も、国籍も問わず、多くの方に足を運んでいただけるようにと思っています」(髙島さん)

最初はどうなることかとハラハラしながらも思い切って飛び込んだ厄祓い企画でしたが、何かを始めたいとき、背中を押してもらいたいとき、自分の気持ちを引き締めたいとき、節目の時……などなど。こんなふうに神社を訪れることで、気持ちも随分と軽くなりそうです。気になった方は、ぜひ昇殿参拝も体験してみてくださいね。

【Information】

神田神社(神田明神)
〒101-0021 東京都千代田区外神田2-16-2
tel:03-3254-0753/fax:03-3255-8875

◆アクセス:
<JR>
中央線・総武線:御茶ノ水駅(聖橋口)より徒歩5分
京浜東北線・山手線 秋葉原駅(電気街口)より徒歩7分
<地下鉄>
東京メトロ丸ノ内線 御茶ノ水駅(1番口)より徒歩5分
東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅(B1出入口)より徒歩5分
東京メトロ銀座線 末広町駅 より徒歩5分
東京メトロ日比谷線 秋葉原駅 より徒歩7分

【参考文献・参考サイト】
東京都神社庁
『現代用語の基礎知識』(インプレス)
『日本のたしなみ帖「しきたり」』(自由国民社)

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