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「フォトグラファー、マーティン・グレイの聖地」part.1:NORTHERN EUROPE(北ヨーロッパ)

公開日 2020.01.22 

SUPERVISION, PHOTOGRAPH BY Martin Gray
EDITED BY VOICE STYLE

巨石文化からキリスト教文化へ

北ヨーロッパにあるイギリスの代表的な聖地ストーンリング。この種の巨石建造物・遺跡は、現在イギリス全土に900以上残されているが、かつてはその倍の数が存在していたようである。関連資料が少ないことから、その歴史的事実を辿ることは難しい。けれども、紀元前約5000~2000年の間の新石器時代に、イギリス、スコットランド、アイルランドの各地で造られたとされている。

ストーンリングの目的・用途は様々。天体の移り変わりによる、冬至や夏至などを確認するカレンダーや天文台として、またその土地の祭事や癒しの儀式が行なわれるための寺院としてなど、多くの役割を果たしていたと考えられている。

グラストンベリー・トア(イングランド)
古代神話に伝えられる異界への入り口。アーサー王や神秘の島「アヴァロン」、妖精などの伝説の他、その近隣は大規模野外ロック・フェスティバルが開かれている場所としても知られる。

その後、キリスト教が伝播すると、「ストーンリングが建てられている=エネルギーが強い場所」であることを感じ取っていた教会側は、その付近に教会や聖堂を建てたという。そして、そこで起こった奇跡の数々は、キリストや聖母マリアの御加護によるものだという話が生まれていった。こうして、中世の時代になると聖地巡礼のスタイルは、教会を中心としたものへと変化を遂げていくことになる


マーティン・グレイ/Matin Gray

1954年4月29日、アメリカで生まれる。『ナショナル ジオグラフィック』誌のフォトグラファー。また人類学をはじめ、世界中の聖地や巡礼地を研究し、写真を残すという活動に専心している。これまでに25年という年月をかけて100カ国以上を巡り、約1000カ所もの聖地を旅してきた。日本にも1年間滞在し、北海 道から本州、九州までを自転車で廻って、神道や仏教の聖山・聖地に足を運んだ。10代の頃に4年間インドで暮らした経験があり、以後30年に渡って、様々な瞑想法やシャーマニズムの手法を実践し続けている。自ら撮影した写真をまとめたスライドショーはアメリカやヨーロッパ各地で上映され、何十万人もの観客を魅了した。またウェブサイトには、これまでに約1500万人が訪れている。
http://www.sacredsites.com/


※本記事は『voice style vol.2』より抜粋・再編集したものです。

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