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世界の聖地を撮り続けるフォトグラファー、マーティン・グレイ

公開日 2020.01.07 

SUPERVISION, PHOTOGRAPH BY Martin Gray
EDITED BY VOICE STYLE

バム(イラン)とその文化的遺産
2003年12月、バムの地を直下型地震が襲い、町は壊滅的な被害を受けた。現在もその復興は続いているが、以前の景観に戻ることはない。失われてしまえば2度と再生ができない、もろく壊れやすい聖地。今は写真にその姿を残すのみである。

聖地を撮ることで、美しさだけでなく、環境や平和の大切さを伝えたい

25年の間に、100カ国以上を訪れ、1000カ所を超える世界中の聖地を巡礼した人物がいる。彼の名はマーティン・グレイ。『ナショナル・ジオグラフィック』誌のフォトグラファーとして活動するアメリカ人だ。

『ナショナル・ジオグラフィック』の聖地特集号にて、メインフォトグラファーを担当

アメリカ政府の職員だったという父の転勤に伴い、12歳のときにインドのニューデリーに移住。それがその後の人生を大きく変えることになったのだという。母親と2人でネパールを旅したことをきっかけに、わずか13歳でインド周辺各地を1人で訪ね歩くようになる。

「あのときの旅は私の人生における”巡礼”の始まりだったと言えます。インドからアメリカに戻り旅行代理店の仕事に就いていたときも、異国を一人旅したときのワクワク感が忘れられませんでした。また、『環境保護』や『精神的な探求』への想いや興味も高まっていました。過去に、ヒンドゥー教や仏教の寺院のあちこちを見て回ったり、実際にグルに弟子入りしたりするうちに、神聖な場所に漂う特別な雰囲気に魅了されていたことの影響も大きかったかもしれません。でも、あのワクワク感を取り戻すために、どうしたらいいのか分からなかったんです」

そんなとき彼に転機が訪れる。

「ある日、突然目の前にビジョンが現れたんです。それはイースター島のモアイの姿をしていて、『古代宗教の巡礼路をたどるように』と伝えてきたのです。また、『日本にも訪れるように』とも言われました。その後、それまで携わっていたビジネスは辞めました。そして、それからずっと私は聖地を訪れ、写真を撮り続けることになったのです」

マウンテン・バイクで日本を縦断中のグレイ氏

これまで世界の聖地と呼ばれる場所の95%には足を運んでいるというグレイ氏。自らの作品を通して、聖地の魅力を、そして、世界に美しさと平和を伝えたいという想いを抱きながら今もまだ聖地を撮り続けている。

聖地は地球のツボ。人が訪れることで刺激され地球が癒やされる

パワースポットに赴くということは、地球のエネルギーとつながるということ。それは地球に癒やしのパワーを吹き込むという意味も持つ。地球からパワーをもらうだけでなく、自分たちは地球を癒せる存在であるという意識とともに聖地巡りをしてほしい。それはグレイ氏の願いだ。彼の数ある作品の中から、一部の聖地を厳選して紹介する。

  • 「マーティン・グレイの聖地」part.1:北ヨーロッパ
    アイルランド, イングランド, スコットランド, デンマーク, ノルウェー, リトアニア

  • マーティン・グレイの聖地」part.2:南ヨーロッパ
    イタリア, オーストリア, ギリシャ, スイス, スペイン, ドイツ, フランス, ポーランド, ポルトガル, マルタ, ロシア

  • 「マーティン・グレイの聖地」part.3:アフリカ
    エジプト, エチオピア, スーダン, セネガル, チュニジア, マリ, モロッコ

  • 「マーティン・グレイの聖地」part.4:西アジア
    イスラエル, イラン, サウジアラビア, シリア, トルコ, ヨルダン, レバノン

  • 「マーティン・グレイの聖地」part.5:南アジア
    インド, スリランカ, ネパール

  • 「マーティン・グレイの聖地」part.6:中央・東アジア・オセアニア
    インドネシア, ウズベキスタン, オーストラリア, カンボジア, タイ, チベット自治区,ミャンマー, ラオス, 韓国, 中国, 日本

  • 「マーティン・グレイの聖地」part.7:北アメリカ
    アメリカ, メキシコ

  • 「マーティン・グレイの聖地」part.8中央・南アメリカ
    エクアドル, グアテマラ, コスタリカ, コロンビア, チリ, ペルー, ボリビア



マーティン・グレイ/Matin Gray

1954年4月29日、アメリカで生まれる。『ナショナル ジオグラフィック』誌のフォトグラファー。また人類学をはじめ、世界中の聖地や巡礼地を研究し、写真を残すという活動に専心している。これまでに25年という年月をかけて100カ国以上を巡り、約1000カ所もの聖地を旅してきた。日本にも1年間滞在し、北海 道から本州、九州までを自転車で廻って、神道や仏教の聖山・聖地に足を運んだ。10代の頃に4年間インドで暮らした経験があり、以後30年に渡って、様々な瞑想法やシャーマニズムの手法を実践し続けている。自ら撮影した写真をまとめたスライドショーはアメリカやヨーロッパ各地で上映され、何十万人もの観客を魅了した。またウェブサイトには、これまでに約1500万人が訪れている。
http://www.sacredsites.com/


※本記事は『voice style vol.2』より抜粋・再編集したものです。



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