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浜離宮でお月見散歩。限定の抹茶や和菓子を味わい、伝統芸能に触れる夕べ

公開日 2025.11.12 

#浜離宮恩賜庭園 #浜離宮 #浜離宮でお月見散歩 #中島の御茶屋

 「浜離宮でお月見散歩~将軍の御庭で栗名月を愛でる~」(主催:公益財団法人 東京都公園協会)が2025年10月31日(金)~11月5日(水)に浜離宮恩賜庭園(東京・中央区)で開かれました。

 通常は17時までの開園時間が「栗名月(十三夜といわれる旧暦9月13日の月のこと )」にあわせて21時まで延長、普段は入場できない夜にライトアップされた庭園内を散策できるようになっていた6日間の期間限定イベントです。

徳川将軍家に好まれたという浜離宮恩賜庭園。写真は追手門口

 訪れたときはまだ明るかったのですが、あちこち眺めているうちにあっという間に真っ暗に。赤や青などにゆったりと変化する光やスポットライトが続く道、そして木々の合間をのんびり歩いていきます。

 敷地内にある潮入の池(大泉水)までたどり着くと3つの建物がありました。それぞれ江戸時代に創建された建物で、「燕の御茶屋」「鷹の御茶屋」「松の御茶屋」と呼ばれていますが戦災により消失。今日見ることができているのは平成に復元されたものだそうです。

「燕の御茶屋」の壁を飾る、GOBOライトから投影されたウサギの姿

「鷹の御茶屋」外観

障子の向こうで将軍のシルエットが時折点滅し、多くの人が撮影で並んでいた「松の御茶屋」。 丸窓のモチーフは「満月に霞」

 とても綺麗だったのが、庭園を囲むビル群と池の水面に写ったその夜景です。ライトアップの光に加わり、秋の澄んだ空気のなか、池周辺がたくさんの光で照らされていました。

 歴史的資料としての建物だけでなく、営業中の建物(お店)もあります。お伝い橋(取材時は工事中のため迂回)の先にある「中島の御茶屋」さんで少し休憩することに。

 店内に広がるいい香りに引かれて、今回のイベント限定の和菓子と抹茶のセットがあったのでそちらをチョイス(他には日本酒のセットもありました)。金箔が浮かべられた苦み抑え目の抹茶と、特注でつくられたという、下層に羊羹、上層に寒天、そして月と橋を背景にジャンプするウサギの飾りがあしらわれた繊細な和菓子の甘さが、11月の夜の寒さと疲れを癒してくれました。

 この中島の御茶屋さんでは、浜離宮恩賜庭園に関連するアイテムも販売されていたのでご紹介します。

限定のセットメニューにも用いられていた「林泉(りんせん)の昔MATCHA」。京都宇治で栽培されたハイランクのもので、浜離宮限定品なのだとか

一瞬ポストカードかと思ってしまった「浜離宮恩賜公園見どころ帖」。実は手ぬぐい柄のひとつでした。庭園内は外国からの観光客も多く、とても喜ばれそうです

将軍おかき

 イベント期間中は、三味線、能楽、尺八、箏、里神楽といった伝統芸能の「小夜の調べ」も日替わりで1日のうちに何度か公演。過去に行われていた船上雅楽は天候などに左右されることも多かったことから、今年はイベントスペースでの披露というスタイルに変更されたそうです。

 この日、観覧したのは石森社中さんによる「里神楽」で、庭園のお月見のテーマにちなんだ大黒天様とウサギのお話しでした。

たくさんお米が収穫できたので、お餅にして皆さんに振る舞うのはいかがですか? と大黒天様に問うウサギ

大黒天様に許可をもらったウサギが餅つきを始める

振る舞う前に、皆に福が行き届くようにと清めの舞を踊る大黒天様

 神楽の終わりには、お話しの中で出てきたお餅(に代わってお菓子)を観客席に向かって振る舞ってくれるという流れに。サービス精神にあふれる大黒天様の姿を見て観覧スペースのあちこちから笑い声が上がります。

 

撮影タイム中。大黒天様もウサギの中の人もネット上でのシェアを楽しみにしているとのこと(笑)

 大黒天様からお菓子を直接受け取ることはできなかったのですが、前方で余分に受け取った近くの方がお裾分けしてくれるという嬉しい出来事も。早速福が訪れた瞬間です。ありがとうございました。

 この日替わりの芸能公演は観客の方々の寄付金で成り立っているそうで、僅かではありますが協力させていただきました。こうしたイベントを通して、日本の伝統芸能が末永く維持されていくことにつながっていくといいですね。

大黒天様からのプレゼントのう◯い棒とイベントフライヤー。園内のアナウンスや説明は日本語と英語で行われていて、海外の観光客の方もたくさん見かけました

 さて、肝心のお月様はというと、ほとんどの時間は厚い雲に隠されてしまっていたのですが、僅かな瞬間、雲の隙間から顔を覗かせたり、時折薄くなった雲の裏から頑張って主張したりする様子が伺えました。日本庭園の自然と汐留の高層ビルという一見正反対にも思える要素が調和した、たくさんの光に包まれた幻想的な光景のもとで淡月を鑑賞することができた、とある日の夕べでした。

 

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